(英エコノミスト誌 2014年7月12日号) 日本の家電メーカーに復活の兆しが見えてきた。しかし、以前の力強い姿はそこにはない。 ソニーにとっては、ほろ苦い瞬間だった。7月1日、ソニーは同社のパソコンブランド「VAIO(バイオ)」に最後の別れを告げた。1996年に発売されたVAIOは世界的なブランドへと成長し、熱烈な支持者を獲得した。全盛期のソニーのファンだった故スティーブ・ジョブズ氏が、アップルの基本ソフト「Mac OS」を搭載してほしいと頼んだことさえあったほどだ。 生みの親であるソニーから切り離されたVAIOは危機的状況にある。2月にプライベートエクイティファンドへの売却を発表して以降、年初には10%あった国内の市場シェアがわずか2%まで落ち込んでいる。 ソニーの「VAIO」事業売却に見る変化の兆し この目まいがしそうな落ち込みには、ソニーも動揺しているはずだ。同社はVAIO事業にわ