8月26日に首相官邸で行われた菅直人前首相の退陣表明を間近で見た。菅氏の記者会見を生で聞くのは初めてだった。 「やるべきことはやったという思いだ」「内閣としては一定の達成感を感じている」 10メートルほど先の演壇に立つ菅氏。最後の晴れ舞台とでも勘違いしているのか光沢感のある背広をまとい、自画自賛を連発する。白けた気分で聞くうちに、ある夜の記憶がよみがえった。 日本の首相、すなわち自衛隊の「最高指揮官」を務めるに足る人格も品性も持ち合わせていないことを物語る記憶だ。 ここまで日本をボロボロに壊し、退陣会見でも失政を認める反省の弁もなかった。もはや忌まわしい記憶を公にすることに遠慮はいらないだろう。泥酔状態でバーに 日記をつけているわけではないが、平成14年で間違いないと思う。知人に連れられ、東京・有楽町の古いバーのカウンターで飲んでいた。深夜で、客はわれわれ2人だけ。入り口の扉が開き、1人の