リーダーなら火中の栗を拾え 激動の時代のリーダーに求められるのが、「いかに悪いことを伝えるか」という能力である。 これが美しい未来なら、語るのはたやすい。例えば政治家なら、「美しい日本」「最小不幸社会」などというのは簡単で、誰にでもいえる言葉である。だが、残念ながら、現在のような有事の時代には、痛みを伴う改革が不可欠。つまり、誰かに「申し訳ないが、あなた方には犠牲になってもらいます」といわなければならない。そこがリーダーとして、最も問われるところである。 例えば国家財政の問題でいえば、今の調子で社会保障給付を増やしていけば、国家財政がもつわけがないことは、国民もバカではないから十分わかっている。生産年齢人口が猛烈な勢いで減少する国で、成り行きの経済成長によって社会保障給付を負担するなど絵空事だ。財政出動したところで一時的なもので、10年、20年という長期的な成長にはならない。 そこで政治家