戸籍制度の不備を暴いた柏木(妻)・想田(夫)の「夫婦別姓確認訴訟」判決 社会やメディアに根付く「夫が主で妻が従」意識が、選択的夫婦別姓実現を阻んでいる 想田和弘 僕と妻の柏木規与子は、1997年、米国のニューヨーク市で正式に結婚した。 アメリカを含む日本以外の国では、結婚の際に「夫婦別姓」か「夫婦同姓」を選択することができる。結婚によって同化・融合するというより、お互いの違いやルーツを尊重しながら仲良くやっていこうと思っていた僕らは、迷わず「別姓」を選んだ。 僕も柏木も自分の名前で仕事をしてきたことも、別姓を選んだ大きな理由の一つだった。映画作家として活動してきた僕にとっても、映画プロデューサー・舞踊家・太極拳師範として活動してきた柏木にとっても、名前はすなわち「ブランド」であり、それを変更することにはデメリットしかない。 日本の国内法同士が矛盾している 少なくとも僕は自分の名前を変えたく