全37巻に及ぶ「長野県文学全集」などの出版を手掛けた郷土出版社(松本市)は2日、2月末で閉業すると明らかにした。出版不況に対応して長野県以外をテーマにした作品を出すなど、地方出版社としては異例の試みもしたが、神津良子社長(67)は「会社運営の先が見えない状況は変わらない」と話している。 同社は1975(昭和50)年創業。88年に刊行を始めた同全集や、2003年公開の映画「さよなら、クロ」の原作となった「職員会議に出た犬・クロ」(98年)をはじめ、これまで4千数百種を刊行したという。 創業初期から編集長を務める神津社長が2代目の社長に就いた2000年以降は、全国各地の明治以降の歩みを写真で紹介するシリーズなどを展開。だが、これらも競業他社に追随されて競争が激化した。一時4億円あった負債は1千万円ほどに圧縮したものの、業績向上が見込めず、昨夏に従業員4人と話し合って閉業を決めたという。
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