目を覆うばかりの失政が続いている。米軍普天間飛行場移設に関する日米共同声明がようやく発表され、「辺野古」が明記された。当然だが、遅きに失した。 昨秋以来、鳩山由紀夫政権は迷走を続け、現行計画とほぼ同じ内容を沖縄県などが受け入れるのは当面絶望視されている。「最低でも県外」と鳩山首相が県民感情をあおったためである。これでは閣議決定された政府対処方針も画餅(がべい)にすぎないではないか。 「5月末までに決着させる」とした首相の約束は果たせなかった。その政治責任は極めて重大だ。しかも首相は尖閣諸島の領有権に関して、日中間の当事者が話し合いで結論を出すと表明した。尖閣諸島が日本固有の領土であることへの認識すらない。 一国の平和と繁栄の責務を担う最高指導者として不適格と言わざるを得ない。国益を損なう「愚かな首相」は、一刻も早く退陣すべきである。 問われる政治責任の第一は、4月の党首討論で「米政府、地元