国際競争力強化に貢献できる「企業内グローバリゼーションの推進」が今また、最も大事なテーマになっています。企業がこのテーマに取り組むのは、「国内売上比率より海外売上比率が上がっていた」と気付いたときがほとんど。それほど今の日本は、海外展開が進展したか、逆に国内依存への危機感が実感できたということでしょう。しかし、グローバリゼーションはボタンの掛け違え一つで失敗します。本連載では、失敗例を挙げながら、グローバリゼーションの本質に迫ります。 筆者は20年近く前から、外資系企業や日本企業に身を置きながら、グローバリゼーションにおける「全体最適と個別最適のバランス」に頭を悩ませ、その解決に向けて色々な工夫や努力をしてきました。グローバリゼーションとはすなわち、グローバルでの“全体最適”と各国・各拠点の“個別最適”をいかに両立させるかという、最終回答がないような問題を解くことにほかならないからです。