旧国鉄→JRと引き継がれてきた労使問題に絡むあれこれは、鉄道マニアにとって、アンタッチャブルな存在であり続けた。 国鉄の経営危機、そして分割民営化問題が世情を賑わし始めたのは80年代になってからのことである。70年代には国鉄の各労働組合に対するシンパシーが国民の中にも少なからずあったと思われるが、スト権ストや順法闘争、あるいは背後にある団体の存在がマイナスに働き、次第に彼らへの反発の声が高まってくる。"たるみ国鉄追求キャンペーン"なんかの影響もあっただろう。日本国有鉄道総裁だった高木文雄が1983年に、続く仁杉巌も1985年に相次いでその座を追われたことで潮目は変わってしまった。 国鉄分割民営化問題に関心を示した一部のマニアたち 20年経った今からすれば「分割民営化は正しかったんだ」なんてコメントもできるだろう。あるいは20兆円を超える長期債務が現在においても返済できていない点、切り捨てら