【ワシントン=山本秀也】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は23日、米南部テネシー州メンフィスに到着し、実質的な訪米日程を開始した。10月5〜10日には首都ワシントンを訪れるが、米紙ワシントン・ポストによると、オバマ米大統領は、今回ダライ・ラマとの面会を見送る方針を固めた。 11月に予定される初の中国訪問を前に、中国当局を刺激することを避ける判断とみられている。ダライ・ラマの訪米に先立ち、オバマ政権はホワイトハウス高官をインドのチベット亡命政府に派遣。同政府当局者は「訪中を控えて、オバマ氏がダライ・ラマに面会しないことは理解できる」と述べていた。 ワシントン滞在中、ダライ・ラマは米議会施設を訪れ、故トム・ラントス元下院議員を記念して設けられた「ラントス人権賞」を授与される。 ダライ・ラマは23日、メンフィス市内で、黒人差別撤廃を訴えたキング牧師の暗殺現場を訪ね、「正義の希求や不平等