2013年ひとつめの記事は、中国の海洋防衛ラインがどのように拡大してきたかについて、過去記事をまとめる形で紹介したいと思います。 戦略的辺彊 中国の概念的な海洋防衛ラインは今ではグアムやサイパンまで届くような壮大な規模となっています。とはいえ、初めからそうであったわけではありません。中国の国力の増大ともに戦略的辺彊が広がり、それに伴って海洋防衛ラインも拡大してきました。 戦略的辺彊(せんりゃく てき へんきょう)とは、1987年に中国三略管理科学研究院の徐光裕(Xu Guangyu)の論文で発表された概念です。地理的境界(国境)が国際的に承認され、相対的に安定を保っているのに対し、戦略的辺彊はそうした従来の国境、領海、領空とは異なり、「総合的国力の増減で伸縮する」と規定されました。つまり、戦略的辺彊は中国が強ければ拡大し、逆に弱くなれば縮小するのです(参照)。 海の長城 中国の歴代王朝は海
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