ベラルーシの首都ミンスクに住む方に話を聞く機会があった。ミンスクでは、「放射線汚染地域出身者とは結婚させたくない」という人がまだいるそうだ。 また、放射線汚染地域出身者が亡くなると、まだ「チェルノブイリのせいで死んだ」と言われるという。こうした負のイメージが、30年以上経過しても残っていることに驚いた。 その負のイメージへの対策は現地にあった。 これまで2回(1回目、2回目)にわたってお伝えしてきた「原子力被害の勉強会」で、ブラギンという村を訪れたときだ。この村は原発から40キロほど離れた地域だ。 空間線量は毎時0.1μSv(マイクロシーベルト)を下回っていたが、現在もキノコなどでは高い放射線量が検出される。 ここでは、現地高校生によってプレゼンテーションが行われた。身近にある作物を取って放射線量を測定した結果を発表するもので、普段から授業の一環として行っているそうだ。 この授業は非常に重
映画『スリーパーズ』(Sleepers)の主人公の一人であるマイケルは、ヘルズ・キッチン(地獄の調理場)と呼ばれるスラムで育ったが、少年院の図書室において独学で勉強し、地方検事になった。このようにアメリカの図書館は、あらゆる人が無料で利用できる開かれた教育施設であり、極端な例を挙げればホームレスが億万長者になるような階層の流動化に寄与する役割をもつとされている。(注) (注)たとえば、ジャーナリストの菅谷明子は、著書『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』のなかで、ニューヨーク公共図書館が情報へのアクセスを担保し、個人の力を伸ばし、コミュニティを活性化させている実例を鮮やかに報告しており、同様の議論は図書館情報学者の川﨑良孝もおこなっている。 つまり、「富めるものはますます富み、貧しきものはますます貧しくなる」という、いわゆる「マタイの原則」を打破する存在として図書館は期待されてい
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