福島医大の大平哲也疫学講座教授らの研究チームは8日、県民健康調査の1回目の甲状腺検査を2015(平成27)年6月までに受けた人の結果などを基に、外部被ばく線量の異なる3地域で小児甲状腺がんの見つかる割合を比べた結果、地域による違いは見られなかったとする調査結果を公表した。 福島医大は、震災後4年間の検査では外部被ばく線量と甲状腺がんの発見に関連が見られないことから、今後も追跡調査を続ける方針だ。 論文は国際的な医学学術誌「メディスン」の電子版に掲載された。研究チームは11年10月~15年6月に県民健康調査の甲状腺検査を受診した18歳以下の男女30万476人を調査。県内を〈1〉外部被ばく線量が5ミリシーベルト以上の人が1%以上いる地域〈2〉同1ミリシーベルト以下の人が99.9%以上の地域〈3〉それ以外の地域―の3グループに分け、外部被ばく線量と甲状腺がんの関連を分析した。 最も線量が高い〈1