聞き手=編集部 2019年11月、東京工業大学のキャンパスにて、新シリーズ「戦後思想のエッセンス」の編者および著者として、『戦後思想の到達点~柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る』と『石原慎太郎~作家はなぜ政治家になったか』をそれぞれ刊行した大澤真幸氏と中島岳志氏による対談が行われました。「戦後思想」の総論から、創刊の3冊について、そして思想の継承問題やシリーズ今後の展開についてなど、多岐にわたった議論の様子をお伝えします。 シリーズ創刊にあたって ――はじめに、このシリーズ全体のねらいについて、おふたりがどういうモチベーションでこの企画に臨まれたか。いま、なぜ戦後思想なのかというあたりについてお聞かせください。 大澤: そうですね。よく政治的な文脈で「戦後を総括する」ということを言われますが、思想の文脈でも、私としてはふたつの方向性があると思います。ひとつはもちろん戦後七十余年間に
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