早春に他の花に先駆けて咲くため「先頭草」が名前の由来との説がある。漢字では「仙洞草」と書き、仙人の棲み処(すみか)という意味だが、由来はよくわからない。漢方薬っぽいが薬効等も特に知られていないようだ。 多摩丘陵では、雑木林の林床や林縁の半日陰で少し湿ったところに群れ咲いている。草丈は10㎝程度しかない。花は5枚花弁の小さなものの集まり(散形花序)である。まだ他の植物が伸び出していないので、林の中で暗い中、白い花がよく目立つ。 セリ科の多年草。北海道から九州まで分布する日本固有種。葉は3回3出複葉といって、大きなギザギザのある小葉が3枚で1単位となり、それが3組できて、さらに3組できる。そのため1枚の複葉は27枚の小葉からなる。瑞々しい緑色が美しい。 セリ科の植物は皆よく似ていて見分けるのが困難である。背が低いことと春の「先頭」に咲くことからセントウソウで合っていると思う。
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