ブックマーク / m-majipan.hatenablog.com (144)

  • ゴマダラカミキリ - 近場の博物誌

    近場では普通に見られるカミキリムシだ。今頃成虫が出てくる。子供の頃、カブトムシやクワガタは大好きだったが、カミキリにはあまり魅力を感じなかった。動きが激しくて捕まえにくいのと、大あごの大きい顔つきが怖いと思ったためだ。 体長3㎝ぐらい。触角は長く体長の1.5倍はある。全身が黒くて一定の間隔に縦横に並んだ白い斑点がある。これが「ゴマダラ」の名前の由来だ。青色の微細な毛のため全身が群青色に見える。接写するとなかなかきれいだ。 日在来種。成虫は様々な樹種の葉や若い樹皮をべる。幼虫(テッポウムシ)は枯れ木ではなく生木の材(ざい)の部分をべトンネルを作って生活する。羽化すると樹皮をい破って出てくる。 生木をべるので所によっては害虫になる。よく似た外来種のツヤハゴマダラカミキリは果樹の大害虫で、駆除の対象になっている。ゴマダラとの違いは胸部に白斑が無いこと。

    ゴマダラカミキリ - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/06/19
  • 草の花6月前半 - 近場の博物誌

    郊外の木々が多いところを歩いて出会った草の花。梅雨入り前の6月の日差しは強烈だが、木陰に入ると緑を渡る風が心地良い。 ホタルブクロ(画像上) キキョウ科。神社の杜の草むらで点々と咲いていた。花は薄紫色のグラデーションだ。白いものもある。和紙のような独特の質感である。 オカトラノオ(画像下) サクラソウ科。雑木林の縁で見つけた。多摩丘陵の杉林に大きな群落があり、虎の尾のような形の花房が皆同じ方向に向いているのを見たことがある。 ドクダミ 今頃はどこでも見かける日陰の花。雑木林の中ではあまり繁茂せず、ホタルブクロなどと調和を保っている。 コメツブツメクサ 道端の地面を覆っている背の低い草。ヨーロッパ原産の帰化植物だ。近年増えてきたように思う。マメ科シロツメクサ(クローバー)の仲間。花は黄色で葉の大きさは4分の1ぐらいしかない。よく似た種類のコメツブウマゴヤシより小型で葉の付け根にギザギザの托葉

    草の花6月前半 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/06/17
  • 若い木の実6月初旬 - 近場の博物誌

    若葉が蒼とした暗い雑木林の中も道沿いは木漏れ日でやや明るい。4、5月に花を咲かせていた木々が緑の実を付けていた。葉と同じ色なのでよく見ないと分からない。 ツリバナ(画像上、花は2023年4月25日) ニシキギ科の低木。五分割の線が入った緑色の実が長い柄でぶら下がっている。漢字では吊花と書く。5月上旬には五弁の花が風に揺れていた。 カマツカ(画像下、花は2023年4月25日) サクラに似た葉に隠れてしまって同じ色の実はわかりにくい。バラ科でゴールデンウイーク頃に白い五弁の花が固まって咲く。 マユミ ニシキギ科。実は四角い袋状をしている。秋には薄赤色に変わって裂け、中から真っ赤な種が出てくる。その美しさが愛でられて民家の庭などでもよく見かける。 サルトリイバラ 先日地味な花を紹介した。今は緑の丸い実に変わっており秋には赤く色づく。

    若い木の実6月初旬 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/06/16
  • 木の花6月初旬 - 近場の博物誌

    近場にある丘陵地の雑木林で中の小道を歩いた。梅雨入りはまだだが、空気は湿気を帯びてしっとりとまとわりつく感じである。高木の日陰に生える木々が地味な花を付けていた。 ムラサキシキブ(画像上) 雑木林の中は少し甘酸っぱい香りに包まれている。気を付けていると至る所でこの花に出会う。シソ科の小高木。花は秋には紫色のツブツブの実に変わる。 ヤブニッケイ(画像下) クスノキ科で大木になる。香料になるニッケイ(ニッキ、シナモン)に似ているが、葉をもむと少し甘い香りがする程度でしかない。小さな花は黄緑色で、花びらは6つに分かれている。 アカメガシワ トウダイグサ科の大木。若葉とともに葉の柄が赤いのが特徴。花びらが無く多数の雄シベがボールのようになっている。 テリハノイバラ 草むらの中で咲いていた野バラ。花は直径4㎝以上と大型で、ツヤツヤの葉が特徴だ。

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    k10no3 2024/06/10
  • ゴボウ抜き - 近場の博物誌

    多摩丘陵にある畑で野菜作りのグループに参加している。先日ゴボウの収穫をした。根の長さが1.2~1.5mになる滝野川という品種である。葉はうねった三角形でびっくりするぐらい大きくなる。 ゴボウはキク科でアザミの仲間である。もう少しすると花茎が出てアザミそっくりな花を付ける。そうなるといわゆるトウが立った状態で味が落ちるし、大きくなりすぎると掘るのが大変。今頃が掘るには良いタイミングだ。 葉を刈り、根元から5㎝ぐらい横にクワで溝を掘る。傷つけないように手で根を探し、主根を露出させる。そして一番下をつかんで垂直に引き抜く。斜めに引くと折れてしまう。びくともしないときはさらに深く掘って下の方まで出す必要がある。グッと力を入れてスポッと抜けると快感である。 上記のように一ずつしか抜けない。そのため「ごぼう抜き」の来の意味は大勢の中から一人を引き抜くことだそうである。しかし何人も一気に抜き去るとい

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    k10no3 2024/06/03
  • カマキリの幼虫 - 近場の博物誌

    道端でイネ科の雑草(カモジグサ?)の花を接写していたら、カマキリの赤ちゃんが写りこんだ。体長は1㎝もないのでおそらく孵化(ふか)したばかりだろう。モスグリーンの体色は保護色になっており注意しないといることもわからない。 カマキリは10月頃に交尾・産卵する。卵はスポンジのかけらのような感じの卵のうの中で冬越しして、4,5月に孵化する。一度だけ卵のうから幼虫がワラワラ出てくるところを見たことがある。近場でよく見るカマキリは何種類かあるが今の段階ではわからない。卵のうの形がわかればある程度推測できるのだが。 画像のように超小型ながら立派にカマキリの形をしている。肉で最初はアブラムシやコバエをべている。夏までに何度か脱皮して成虫になるが、なれるのはほんの一部で、ほとんどは鳥や他の昆虫にべられてしまう。

    カマキリの幼虫 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/28
  • 道端の草花5月 - 近場の博物誌

    爽やかな日々が続くが日差しはもう夏だ。街を歩いていて出会う花も季節とともにどんどん変化する。日当たりの良い空き地や道端で出会った5月の街の花。 ミヤコグサ(画像上) マメ科の多年草。見かけたのは住宅街の中の駐車場で、土むき出し。しかし定期的に草刈りがされているためか木や外来種が少ない。この植物にはそっくりの外来系の種類がある。花序に付く花の数が少ないので在来種と思われる。 アメリカフウロの紅葉(画像下) 4月は小さな花を付けていた。実が成熟すると黒く変色し葉が赤く変わるのが特徴。夏草が生い茂る頃いつの間にか消えてしまう。 ニワゼキショウ 今頃の季節、日当たりの良い場所でよく見かける小柄な花。これでアヤメ科とは信じられない。明治時代にアメリカから観賞用に持ち込まれたものが野生化した。 コウゾリナ 花はブタナやノゲシと似ている。全体に剛毛が生えており、ヒゲやヒゲ剃りを連想することから、名前の由

    道端の草花5月 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/26
  • クロガネモチの花 - 近場の博物誌

    街角の植え込みの木。新緑が鮮やかだ。ふと見ると小さな花が付いている。葉の付け根ごとに5~7個付いているが目立たない。つやつやした厚めの葉は全縁(ぜんえん。周囲のギザギザが無い)の舟型だが、似た葉の木はいくつもあるので名前がわからない。花を接写して調べてみた。 拡大するとなかなかカワイイ花だ。わずかにピンクがかった白色で、径5㎜ぐらい。花びらは5枚。6枚のものもある。検討の結果クロガネモチの花と分かった。モチノキ科の常緑高木で、よく庭木に用いられている。 葉の柄や若い枝が赤紫色で黒っぽく見える。近縁のモチノキは花弁が4枚で、葉柄は黄緑色だ。この色の違いが「黒鉄(くろがね)」の名前の由来である。なお、似た葉を持つトウネズミモチは花の特徴が異なり、モチノキ科ではなくモクセイ科である。 雌雄異株でこれはメス。花の中央に大きな黄色い雌シベが突き出しており、周辺に退化した赤紫色の雄シベが並んでいる。晩

    クロガネモチの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/23
  • イネ科の花5月上旬 - 近場の博物誌

    いつもの川沿いの道。夏草が繁茂し始めてゴールデンウイーク前に生えていたものと入れ替わっている。主にイネ科とキク科(ヨモギなど)だ。伸びてきて草丈が50㎝~1mのものはカラスムギ、イヌムギ、ネズミムギ、カモジグサ、コバンソウはすぐ見分けられる‥?いや待て、ちょっと違うぞ。 ホソムギ(画像上) 一番判別に困ったのがこれ。ネズミムギに似ているが小穂(小花の塊)の形が細長く芒(のぎ、花から突き出している針)がない。調べるとホソムギという種類のようだ。ネズミムギに似て小穂が細長いのが名前の由来だ。ただしネズミムギとの間で中間の雑種がいろいろできるのでややこしい。ヨーロッパ原産でペレニアル(多年生)ライグラスと呼ばれる代表的な牧草だ。ちなみにネズミムギはイタリアンライグラスという。(下、雑種?) ナガハグサ(画像下) これも最初は首をひねった。小さな小穂を多数付け煙のように見える。草丈は50㎝以上ある

    イネ科の花5月上旬 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/19
  • スゲの仲間5月上旬 - 近場の博物誌

    丘陵地の林床や林縁、谷戸など、木が茂って日影の湿った場所に多い植物がスゲ(菅)の仲間だ。地味で注目されない植物だが、「菅」の字が入る地名や人名は多い。昔から日人には身近な存在だったのだろう。 カヤツリグサ科。イネ科に似た単子葉で、葉は根元から出ている。花の時期には花穂を出し、先端に雄花の集合した小穂(しょうすい)、その下に雌花の小穂を2,3個付ける。花びらは無いが、開花の時は毛のような雄花の葯(やく)や雌シベの先端(柱頭)を多数出す。図鑑によると5月に咲くものだけでも多くの種類があり、皆よく似ている。色々と調べたが以下の名称は仮のものと考えて欲しい。もっと勉強します。 イトスゲ(糸菅、画像上) 神社の境内の林床や林縁に多い。他の種類と比べて葉が細く、日陰の芝といった感じだ。花(小穂)も細長く小さい。苞葉(小穂の根元の小さな葉)が小穂より長いのが特徴。 ヤワラスゲ(柔菅、画像下) 谷戸の林

    スゲの仲間5月上旬 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/17
  • カルガモとオオキンケイギク - 近場の博物誌

    いつもの街中の川。ゴールデンウイーク中にコガモたちが北に旅立ってしまい急に寂しくなった。新緑の季節で、植物の方もイネ科の雑草が一気に伸び始め、緑の草ばかりで単調な景色である。 川面では留鳥のカルガモがのんびり泳いでいる‥。と思ったら様子が違う。よく見るとその周りで子ガモたちがたくさん泳いでいた。そういえばカルガモも子育ての季節だ。この景色は何度も見たが、子ガモ達のやんちゃぶりを見ているといつも頬がほころんでしまう。 また、川の護岸では、すぐ近くで鮮やかな黄色い花が群れ咲いていた。オオキンケイギクだ。北米原産の外来種で、美しいので花壇に植えられる場合もあるが、逃げ出して雑草化していることが多い。コンクリートの護岸の隙間でも増える繁殖力には恐れ入る。 住宅地のコンクリートで固められた環境でも動植物はたくましい。

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    k10no3 2024/05/16
  • カラスビシャク - 近場の博物誌

    街中の植え込みから顔を出していた。小さくくすんだ緑色の植物で目立たないが、近づいて観察すると実にユニークな形をしている。葉は一で大きさは10㎝ぐらい。3つの小葉からなる。尖筆で書かれたような葉脈が美しい。 花は細いラッパのような形(仏炎苞)で中にこん棒状の雄シベ雌シベが入っている。そこから細長いヒモ状のものを伸ばすのが特徴だ。この場所のものは特に長く15㎝ぐらいある。普通上向きだが長いせいか横に倒れている。同じサトイモ科のマムシグサやウラシマソウと同じパターンだ。 日全国及び中国・朝鮮半島に分布するが、古くに日に持ち込まれたものと考えられている。地中の塊茎やムカゴで増える。意外に強壮で、畑に入り込み困った雑草になっていることもある。

    カラスビシャク - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/11
  • 谷戸の植物5月初旬 - 近場の博物誌

    台地の一部に深い谷(谷戸:やとと呼ばれる)が穿たれ、奥に水が沸いて小川が流れている。近場に公園として保存されている所がある。木々が蒼として暗く湿度が高い独特の環境である。夏にはヤブミョウガが大きな群落をつくり花畑のようになる。今はまだ芽を出したばかりのところである。 ノイバラ(画像上) 林縁はノイバラの花が満開だ。中に1株だけピンク色の花を付けたものがあった。ほのかに色づく程度だが他の株とは明らかに違う。ノイバラはツボミの段階ではピンク色がかったものは珍しくない。しかし開花すると白くなるのが普通。個体差の範囲かもしれないが、初めて見たのでちょっと得した気分だ。 コゴメウツギ(画像下) 林縁の薄暗いところに多い高さ1~2mの低木。今は小さな花を大量につけている。香りは無い。ウツギの仲間ではなくバラ科だが、イバラとは全く印象が違う。 ヤブジラミ セリ科の在来種雑草。草丈は50㎝ぐらい。ほとん

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    k10no3 2024/05/10
  • 多摩丘陵の植物2024GW - 近場の博物誌

    多摩丘陵にはまだ所々に昔からの道が残っており、蒼とした樹林の暗い中をくねくねと続く。GWの1日ゆっくりと歩いた。道沿いに独特の植物が次々と現れて目を楽しませてくれる。 タツナミソウ(画像上) 目が覚めるような紫色だ。 キンポウゲ(ウマノアシガタ、画像下) 薄暗いところでひょろりと伸びた先の花はキラキラした光をまとっており、金鳳花という表現が似つかわしい。好きな花だ。 ヤマツツジ 雑木林の林縁に朱赤色の花が見える。ミツバツツジの赤紫も良いが、これもなかなかのものだ。 キンラン 暗い林床で花を付けている。里山の手入れがされなくなって少なくなった。 キツネアザミ 丘陵地の所々が急に開けて開墾地に出る。日当たりの良い未耕作地で花を付けていた。見た目はアザミなのだが、葉や総苞にトゲが無い。狐に化かされたという意味の名前だ。 ウシハコベ 半日陰に多い大型のハコベ。5枚の花弁は大きく切れ込んで10枚に

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    k10no3 2024/05/04
  • ウオーキングで出会った花4月下旬 - 近場の博物誌

    いつも通る街中の川沿いの道を歩いた。道の端に舗装されていない部分があり、一部は周辺の家の花壇のようになっている。後は雑草が生えているが定期的に刈られているようだ。ゴミも落ちておらず、近隣の方が手入れされているのを感じる。 小さな花たち(画像上) 3種類交じって夜の星のようだ。オオイヌノフグリの花が直径8㎜ぐらいなのでノミノツヅリ(白色)の小ささがわかる。キュウリグサも見える。近くに寄らないと咲いていることすらわからない。 アメリカフウロ(画像下) 今頃から夏中咲き続ける。拡大すると意外にきれいだ。 オランダミミナグサ 花をよく見るとナデシコ科の片鱗がある。しかしこの草はひたすら大量の実(種)を付けるばかりで立派な雑草である。 ノヂシャ ごく小さな花の集合。僅かに青みがかかった白色である。一つの花は五裂した合弁花で、オミナエシ科の特徴がある。 ノゲシ 春先から花を咲かせ続け大きな株になってい

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    k10no3 2024/04/28
  • 街の花4月下旬 - 近場の博物誌

    近場の住宅地を歩いていてよく見かける花。庭に植えられたものでもいつのまにか野生化(雑草化?)している場合が多い。民家の外まではみ出していたり、とんでもないところで咲いていたり。 シラン(紫蘭、画像上) 街角でよくみかける。ラン科だし赤紫色の派手な花なのだが、丈夫で育てやすいせいか今一つ有難味に欠ける。庭先で雑草のスギナに混じって咲いていた。日台湾中国で自生する。 コデマリ(小手毬、画像下) 民家の庭の定番。大きな株になる。同じ白い花のユキヤナギはもう終わっているが、同じような位置づけだ。中国原産の帰化植物。最近は類縁のオオデマリ(大手毬)も見かける(下)。こちらは毬(まり)のような花房がちょうど手に入る大きさだ。 モッコウバラ(木香薔薇) 中国原産の黄色いバラ。トゲが無く成長が早いのでよく生垣になっている。2階建ての家ぐらいの大木を見たことがある(下)。 ペラペラヨメナ 葉の厚さが薄

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    k10no3 2024/04/27
  • ダンダラテントウ - 近場の博物誌

    ノイバラのツボミにいた極小のテントウムシ。直径4㎜ぐらいの半球形でつややかな黒色をしている。接写すると前方(上の方)のヘリ近くの二つの赤い三日月紋がわかる。この画像ではわかりにくいが、白い眼のようにみえるのは胴部の模様だ。 最初、ナミテントウの2つ星型かと思ったが、一回り小型で赤い紋が前に偏っている。調べてみるとよく似た特徴を持つテントウムシが何種類もいることに驚いた。大きさと文様の位置、形からダンダラテントウと結論した。 ダンダラとは段々に色が異なる模様をいう。この虫は模様の変異が大きく、南西諸島にいる個体は赤地に太い黒マジックで顔を描いたような面白い模様をしている。これがダンダラという名の由来である。一度ネットで画像を見てみられることをお勧めする。一方、九州より北の方で見られるものは黒地に小さな斑紋が入ったものが多く、斑紋の数は4つや2つがある。 性はナナホシテントウと同じ植物につく

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    k10no3 2024/04/24
  • 里山の植物4月中旬 - 近場の博物誌

    サクラの満開後は急に暖かくなった。前回と同じ日に神社の周辺で出会った花たち。 イチリンソウ(画像上) キンポウゲ科。切れ込みが多い葉と、1輪だけ花を付けるのが特徴。花びらにみえるのは硬いガクである。そのため花が長持ちする。 ニリンソウ(画像下) イチリンソウの類縁種。やや小柄で葉の形が違う。1の花茎には2、3個のつぼみがあり、一輪ずつ少し時間をおいて咲いていく。花が長持ちするため2輪咲きが多いが1輪や3輪で咲いているものもある。 タンポポ アカシジミが来ている。市街地ではセイヨウタンポポ(外来種)が多いのだが、多摩丘陵で出会うのは今のところ在来種のカントウタンポポばかりである。花の付け根の鱗片状のガク(総苞)がめくれていないのが特徴だ。休耕地のなどに一面に生えていると、きれいだと思う。しかし周りの耕作中の畑に種(綿毛)を飛ばすのは困ったものだ。 フデリンドウ 小型の春リンドウ。先日の花は

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    k10no3 2024/04/15
  • ニオイタチツボスミレの香り - 近場の博物誌

    また別の里山。散りつつあるサクラを 観ながら歩いた。多摩丘陵にある神社の境内周辺で、草刈りなどよく手入れされている。1週間前は薄紫のタチツボスミレが花盛りだったが、もう花が終わってきている。 中に紫色が濃いものがあった(画像上)。花の中心部が白く抜けた感じである。葉の形などそっくりだが、顔を近づけるとタチツボと違って香水のようなふくよかな香りがする。ニオイタチツボスミレだ。北海道南部の一部以南に分布する別種である。花ビラが微妙にぽってりしていてビオラ(西洋スミレ)を思わせる。花柄にビロード状の毛があるのも特徴だ。下に普通のタチツボスミレを示す。 香りを表現するのは難しいが、少し調べてみた。香水の世界ではスミレ系の香りはよく使われる。成分も研究されており、主なものはα(アルファ)イオノンという物質である。化学合成されて色々なものに香料として使われている。そのためどこか身近な感じがする。 昔は

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    k10no3 2024/04/14
  • 里山の植物4月初旬(その2) - 近場の博物誌

    里山の林縁で見つけた花。 ヤマザクラ(画像上) 花と一緒に赤っぽい新芽を伸ばす。漆器のようなおもむきがあって美しい。10ないし11ある日のサクラの原種の一つだが、一花色や葉の形など微妙に異なっている。ソメイヨシノのような単一クローンではないし、他の種類との交配種も多いためだ。 オオシマザクラ(画像下) ソメイヨシノの片親。大きな花と大木になる性質を与えている。野生種の分布は伊豆諸島と伊豆半島、房総半島の一部に限られている。近場に大木が多いのは薪炭用として移植されたものか。左の花にナナフシの幼虫が付いている。 アオキ 常緑で枝まで緑の(昔の言い方で「青い」)低木。雌雄異株。画像上の花は雄で、4つの雄シベを持つ。雌株は冬の間ずっと真っ赤な実を付けている。鳥には不味いらしく、べ物の少ない今頃になっていつの間にか無くなる。1個だけ残っていた。 イロハカエデ カエデの木も新芽に覆われている

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    k10no3 2024/04/11