朝起きたら昨日よりも日差しが暖かく感じて、先日ゲットしたローファーを足に慣らすために目的のない散歩に出かけた。 散歩はいいね。歩けば歩くほど頭がすっきりする。このところ寒かったせいで積極的な散歩から遠のいていた。家を出て電車に乗り歩く。 歩いていると五感が優位になる。あれが食べたいここに行きたい、そろそろ春の計画を立てよう、空が青くて街に色が増えてきたな、笑顔が素敵な店員さんだったな。そんなことを思っていたらぐちゃぐちゃになった考えごとの毛糸玉がするすると一本にほぐれていく感じがした。 室内で何時間もディスプレイに向き合い仕事や生活のToDoをこなして外的基準に自分を照らす日々。あんなふうに同じようになれないという諦めの感情は、自分でいたいということなのだな。歩いていると自分の脳が自分に返っていく。当たり前のことがすぐに分からなくなる。 よく知る川沿いの道と知らない道を半日ほど歩いた。靴は