IBM ISS X-forceの報告によると,最近,フィッシング詐欺が増加傾向にある。ただ,フィッシング詐欺で銀行口座の番号を奪ったとしても,ワインタイム・パスワードを採用しているなどセキュリティ強度が比較的高いと,奪った情報はほとんどど役に立たない。攻撃者にとっては効率が悪い。 この点から考えると,9月30日に報告された「URLZone」というトロイの木馬(ウイルスの一種)を悪用したサイバー犯罪は注意しておくべきだろう。URLZoneの標的はオンライン・バンキングのユーザーだ。ウイルス対策ソフト・ベンダーのFinjanの報告によると,既に被害パソコン(PC)は6000台を超える。感染したPCのユーザーが利用するオンライン・バンキングの口座から,勝手に犯罪者に送金してしまう。日本では馴染みがない部類のウイルスだが,海外ではこの手のサイバー犯罪は以前より増えている。 銀行の口座を直接操作でき