【煩悩林(1)】 仏教では「大衆」を『煩悩林(ぼんのうりん)』と言われます。 『煩悩林』とは、煩悩の林、 数々の煩悩が林立している、ということです。 煩悩とは、私たちを煩わせ、悩ませるもの。 ひとりの人間に108の煩悩があることから、 「百八の煩悩」といわれます。 そのいくつかを言うと、 ・思い通りにならないとすぐ腹を立てる心、 ・幸福な人をねたみ、不幸な人をクスクス笑う心、 ・そんな自分なのに人からは尊敬されたい一杯の心、 そういう心が煩悩です。 10人のグループが集まると、そこには1080の煩悩がある。 100人のグループでは、10800の煩悩。 1000人では、108000の煩悩。 では東京ドーム5万5千人では? ・・・計算、大変ですネ。 何しろ「大衆」とは、ところ狭しと煩悩がウジャウジャと 密生している密林、ジャングルのようなものだ、ということで、 「煩悩林」と説かれているのです。