世界で今、ガソリンやディーゼル車から電気自動車に移行する“EVシフト”が加速している。主導しているのはヨーロッパと中国だ。ディーゼル車の不正の後、巻き返しをはかろうと電気自動車に力を入れるドイツのメーカー。大気汚染対策と産業育成のねらいから国を挙げて電気自動車の普及を進める中国。世界で急速に進むこの変化に、多くの雇用を抱える日本の自動車産業はどう対応するのか。欧州、中国、日本の最前線の動きを追う。
2017年、人間は2つの知的ゲームでコンピュータに決定的な敗北を喫しました。 囲碁の世界レーティング1位の柯潔(カ・ケツ)九段が、米Google傘下DeepMindの囲碁AI「AlphaGo」との3番勝負で3戦全敗(関連記事)。 ボードゲーム最後の砦といわれた囲碁さえCOMに敗北 さらに将棋の佐藤天彦名人が、第2期電王戦二番勝負で将棋AI「PONANZA(ポナンザ)」に、先手番・後手番ともに敗れました(関連記事)。 投了直前、天を仰ぐ名人(ニコニコ生放送より) 急激に進歩するAIにより生活が激変するといわれる21世紀。2045年、あるいはそれを上回る速度で、人間の知能をAIが決定的に上回る「シンギュラリティ」が来るともいわれ、人間の存在価値すら問われ始めている昨今において、衝撃的な出来事でした。 そのちょうど20年前の1997年。囲碁と将棋のように、人間にとって非常にポピュラーな知的ゲーム
世界の自動車市場で一斉に動き出した電気自動車への移行。「EVシフト」に、今、日本の自動車の部品業界がかつてない危機感を募らせています。動力がエンジンからモーターに変われば、7000点もの精密なエンジン部品が不要になってしまうからです。いったいどんな思いで、この急速なEVシフトを見つめているのか? 大手の自動車部品メーカーの社長を追いかけました。 (経済部記者 吉武洋輔) 私が取材したのは部品メーカーの「ケーヒン」。従業員は2万2000人。国内、海外に38の工場を持つ大手です。主力製品はエンジンにガソリンを吹きかける「インジェクター」など、エンジン回りの部品です。売上の85%はホンダ向けで、エンジン部品のトップメーカーの1つです。 そのケーヒンに衝撃を与えたのが、去年、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資家向けに発表したリポート。EVシフトが進むと受注が3割減少する可能性があり、先行きが
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