メールの返信を先送りしてしまう、という話をよく聞きます。拙著への感想を読んだり、セミナーでの質問を受けたときに思うのは、「現代のビジネスパーソンにとって、メールは相当にやっかいなツールになっている」ということです。 まず、「不安」というのは、近い将来に悪いことが起こりそうな予感があるから、それを未然に防ごうとするために生じる感情です。この場合、「こんなメールの返信をすると、悪く思われるかもしれない」という予感があるから、不安になっているのです。ということは、不安になるのが自然であって、そういう感情を感じられるということはむしろ正常なのです。 メールを返信する場合には、書き方がなっていないとか、返事をしてくるのが遅すぎるとか、聞かれたことに答えていないとか、うっかりミスがあるかもしれないなど、「指摘される可能性」はけっこうたくさんあるものです。こうした不安を、完全にゼロにすることはできません