私シバタは愛煙家である。だが世界は禁煙ブームの真っ最中であり、愛煙家にはキビしい現状だ。愛する会社も多分に漏れず、数年前から全面的禁煙。会社が入ってるビルの1Fにある喫煙ルームに赴き、紫煙をくゆらす日々を続けている。もちろん嫌煙家の意見もわかるし、タバコが苦手な人の前で吸いまくるほど、デリカシーがないわけではない。だが、あの喫煙ルームは本当に勘弁して欲しい。 ガラスに囲われた喫煙ルームは、まるで動物園のオリのよう。自分がビル内の通行者に観察されているのでは、という錯覚を覚えてしまう。しかし、愛煙家ならわかってもらえるだろう。どんな状況でも何でもいい。"吸いたいときは、とにかく吸いたい"のである。そんなアンビバレンスな感情を抱きつつ、1Fへ足を向ける日々だ。 一方、自宅では俗にいう"ホタル族"というヤツに甘んじている。我が家だからといって家人に副流煙を吸わせるほど、愛煙家の我を張るつもりはな