・ラーメンと愛国 「戦後の日本の社会の変化を捉えるに、ラーメンほどふさわしい材料はない。ラーメンの変化は時代の変化に沿ったものである。本書が試みようとしているのは、そんなラーメンの変遷を追って見た日本の現代史の記録である。」 都市下層民の夜食だった「支邦そば」がわずか100年で日本の「国民食」となるまでの歴史が語られている。戦後のアメリカの小麦輸出戦略があり、安藤百福(日清食品創業者)のパン食文化への抵抗としてのチキンラーメンの発明と大量生産があり、田中角栄の国土開発と「ご当地ラーメン」による地域振興があり。昭和の時代、インスタント、カップラーメンも含めて「ラーメン」という呼称が確立されてマスメディアにものり、当時大量発生した独身の都市生活者を中心に、受験生や機動隊員など幅広い世代に親しまれるようになった。 この本はラーメン現代史を総括するだけではないのが面白い。 ラーメン文化は幾度ものブ