鍋は手軽にでき、しかもどんな材料を使っても、それなりにおいしくできるから、冷蔵庫の残り物整理などにも、うってつけなわけだけれど、「定番鍋」といわれるようなものもいくつかあり、この「常夜鍋(じょうやなべ)」は、そのひとつ。 豚肉とほうれん草を水と酒で煮て、醤油かポン酢で食べるというのが、常夜鍋の基本的な定義なのだけれど、常夜鍋の起源については、「旧制高校の寮生が始めた」とか、「刺身を食べない西洋人が、魚を熱湯にひたして食べ始めたのが、肉にも広まった」とか、ネットを見る限りにおいて、あまりはっきりしないらしい。 「常夜鍋」の名前の由来も、「毎日食べ続けても飽きない」ことから付けられたといわれている。 ところが今本屋の料理コーナーに並べられている、魯山人についての本を、パラパラと立ち読みしていたら、そこには違った説が書いてあった。 名前も「宵夜鍋」で、これを魯山人は、「じょうやなべ」と読ませてい