日露戦争(1904~05)で中国・旅順を攻略した陸軍大将、乃木希典(まれすけ)(1849~1912)の手紙が見つかり、入手した広島市の学校法人修道学園が8日発表した。 自刃する2年前、かつての部下に宛て、日露戦争で約6万人の死傷者を出すなど多大な犠牲を強いた責任を感じ、「弊家(へいけ)ハ小生共(しょうせいとも)一代(いちだい)」と乃木家を断絶させる決意をつづっている。 手紙は1910年7月6日の消印。陸軍時代の部下で、同学園の前身の修道中学校総理(理事長)だった佐藤正に宛てた。乃木も後に学習院院長となり、同じ教育者として交流を深めたという。 手紙では、広島の特産品をもらった礼をつづった後、戦争で跡継ぎの2人の息子を亡くした乃木に養子縁組を勧める佐藤に対し、「小生共一代」と跡継ぎのための養子は考えていないと記した。また、天皇陛下や戦死した将兵の遺族に対し「申譯(もうしわけ)ナク」と謝罪し、息