解説 2009年に34歳の若さでこの世を去ったSF作家・伊藤計劃が、その前年に発表した同名小説を映画化。原作は、著者にとって2作目のオリジナル長編作品で、死後、第30回日本SF大賞や米国フィリップ・K・ディック記念賞の特別賞を受賞。「大災禍」と呼ばれる大規模な混沌から復興し、その反動で極端な健康志向と調和を重んじる超高度医療社会が訪れた世界。ある時、数千人規模の命が奪われる事件が発生し、その背後には、13年前、まやかしの社会に抵抗して自殺したはずの少女・御冷ミァハの影があった。ミァハとともに自殺を試みるも失敗し、生き延びて戦場の平和維持活動に従事していた霧慧トァンは、ミァハの存在を確かめるため立ち上がる。伊藤計劃の残したオリジナルの長編3作品を映画化する「Project Itoh」の1作。「AKIRA」作画監督などで知られるなかむらたかしと、「鉄コン筋クリート」のマイケル・アリアスが共同監