いま世界中で使われているPCやスマートフォン、最近のテレビの中にもマイクロプロセッサ(CPU)という部品が入っているのをご存じだと思う。最初のマイクロプロセッサは1971年にインテルが発売した『4004』だが、その誕生のきっかけは国産の電卓だった。社団法人情報処理学会が2011年度の“情報処理技術遺産”として、その『Busicom 141-PF』を認定した。先月発売された『電卓のデザイン』とともに紹介する。 3月下旬、私のもとに『電卓のデザイン』(大崎眞一郎著、太田出版刊)という1冊の本が届いた。私の知る限り日本一の電卓コレクターで、『電卓博物館』を運営されている大崎眞一郎氏によるビジュアル本である。国産電卓を中心に、海外の有名機種も含めて、技術的なこともさることながらデザインや時代背景にこだわって紹介されている。この本の刊行に、私もほんのちょっとだけ関係していたので送っていただいたのだっ