性的少数者(LGBTQ)への理解増進法が昨年6月に施行されて以降、一部自治体に施策への批判や問い合わせが相次いでいる。長時間の電話に対応した職員が萎縮したり、取り組みが停滞したりすることへの懸念の声も上がり、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」(東京)は3月末、自治体向けの対応の手引を作成した。法が目指す性の多様性が尊重される社会づくりは道半ばだ。(奥野斐) LGBT理解増進法 正式名称は「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」。国や自治体などにLGBTQへの理解を広げるための取り組みを求め、性の多様なあり方を互いに受け入れられる共生社会の実現を目指す。国や自治体の役割、企業や学校の努力などを定めており、政府には理解増進のための基本計画策定、年1回の施策の実施状況の公表を義務付けている。2023年6月23日に施行された。