ガブリエル・リッター(ダラス美術館アシスタント・キュレーター) 国際交流基金は具体美術協会(以下「具体」)を代表する2人の作家、白髪一雄と元永定正の活動を紹介する「アクションと未知の間で―白髪一雄と元永定正」展を、ダラス美術館(米国テキサス州)との共催で7月19日まで開催しています。共同キュレーターの一人であるガブリエル・リッター氏に本展の見どころをご寄稿いただきました。 写真提供:河﨑晃一氏 具体への注目 具体美術協会が1958年にマーサ・ジャクソン画廊でニューヨーク・デビューを果たした際、美術批評家のドリー・アシュトンに「期待はずれ」と酷評されました。しかしそれ以降、アメリカでの具体への評価は大きく変化しています。当時の具体は、ジャクソン・ポロックらによるニューヨーク・スクールと直接比較されたため、抽象表現主義の模倣とみなされたのです。アラン・カプローといったアーティストが1966年に