戦後の道内画壇をリードした函館出身の画家岩船修三(1908~89年)が、戦時中に国民の戦意高揚のために描いた戦争画が函館護国神社に保管されていることがわかった。旧日本軍守備隊が全滅した1943年(昭和18年)のアッツ島の戦いを描いた作品で、縦約190センチ横約280センチと戦争画としては道内最大とみられる。専門家は「これほど大型の作品が戦後80年近くたって見つかることは珍しい。アッツ島玉砕に対する軍の思い入れの強さを示す重要な作品だ」と話している。
突然襲った激震に人々が逃げまどい、もうもうと火炎が立ち上る中、残虐な行為を繰り広げている――。関東大震災の朝鮮人虐殺の様子が描かれたと思われる希少な絵巻物が、発生から100年の節目に東京都新宿区の高麗博物館で公開されている。生々しい絵が、私たちに問いかけるものは何だろう。 絵巻物を見つけたのは専修大元教授で、高麗博物館前館長の新井勝紘さん。日本近代史・自由民権運動を専門としている。国立歴史民俗博物館に助教授として勤めていた当時、関東大震災の展示に関わって以来、朝鮮人虐殺を描いた絵画の収集・研究を続けている。「今になってまさか、こんな資料が見つかるとは」と驚きを語る。 大学を退職後も、ネットオークションで古い資料を探すのが日課だった。一昨年2月、いつものようにパソコンを開くと、「関東大震災絵巻1・2 大正15年 肉筆 淇谷(きこく)」という作品が出品されているのを見つけた。すぐさま参加し、9
東京・台東区の浅草寺で、本堂の天井に描かれた龍の絵がはがれ落ちていたことがわかりました。こちらは、きのう午後2時ごろ撮影された写真。天井の絵がはがれ落ち、参拝客の頭上に大きく垂れ下がっています。きの…
フランス政府は15日、フランスが国として唯一所蔵している画家グスタフ・クリムトの作品「樹下の薔薇(ばら)」について、ナチス・ドイツによってユダヤ人一家が強制的に売却させられたものだったとして、この一族に絵画を返還すると発表した。
赤外線で撮影された西明寺本堂内陣の西柱の菩薩立像。太い筆線など随代の描式を伝えているという(安嶋教授提供) 湖東三山の一つ、西明寺(滋賀県甲良町池寺)の本堂内陣の柱絵を調査・分析していた広島大大学院の安嶋(あじま)紀昭教授(美術学史)は9日、絵は飛鳥時代(592―710)に描かれた菩薩(ぼさつ)立像で、描式から日本最古級の絵画とみられると発表した。834年とされる同寺の創建前で、創建時期が大きくさかのぼる可能性があるとも指摘した。 【画像】日本最古級の絵が潜んでいた真っ黒にすすけた柱 菩薩立像は、本堂内陣の本尊・薬師如来像前にある西柱と南柱に描かれていた。柱は黒くすすけ、これまで何が描かれているのか分からなかったが、昨年6月、周囲の仏像を移動させ、高さ3~4メートルに描かれた絵を赤外線で撮影することができた。 分析の結果、両柱(直径約45センチ)には、菩薩立像が4体ずつ描かれていた。薬師如
(CNN) これまで無名画家の作品と思われてきた油絵が、エックス線検査の結果、オランダの天才画家ファン・ゴッホ(1853―1890)の作品だったことが判明した。花を描いた静物画の下から見つかった別の作品が決め手になった。 花の静物画はオランダ東部オッテルロにある美術館に1974年から展示されていたが、署名の位置や構図などからゴッホの作品ではないと判断され、2003年、正式にゴッホの作品一覧から抹消された。 しかしエックス線を使って調べたところ、花の絵の下に、2人のレスラーが戦う様子を描いた別の作品があることが判明。ゴッホがレスラーを描いていたことは以前から知られており、カンバスを再利用して1つの作品を塗りつぶしながら別の作品を仕上げている手法などを見ても、ゴッホの作品に間違いないと判断された。 首都アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館の研究員によれば、エックス線による調査は過去にも行わ
聚楽第を出る秀吉の行列(左の屏風)御所から聚楽第に向かう後陽成天皇の行列(右の屏風)=新潟県上越市立総合博物館提供 豊臣秀吉が贅(ぜい)を尽くして京都に建てた「聚楽第(じゅらくだい)」に、後陽成(ごようぜい)天皇が行幸する光景と、御所へ出迎える秀吉の行列を描いた2枚1組の「御所参内・聚楽第行幸図屏風(びょうぶ)」が、新潟県上越市で発見され、市が11日、公開した。秀吉の私邸で政務の場でもあった聚楽第を描いた屏風は、これまで3例知られているが、秀吉の御所参内と、行幸の光景がそろっているのは初めてという。専門家は、完成から8年で破壊され、謎が多い聚楽第に関する「第一級の資料」と注目している。 屏風は、それぞれ幅3.6メートル、高さ1.5メートル。左は聚楽第を出た牛車(ぎっしゃ)を中心とした行列が右側の御所に向かう様子。牛車には秀吉の桐(きり)の紋がある。一方、右は御所を出て聚楽第に向かう天皇
仏後壁画には、高貴な人が身につける赤い「冕冠(べんかん)」をかぶった男性らが描かれていた。釈迦の元へ供養に訪れた様子という=平等院提供近赤外線カメラの撮影で、釈迦の元を訪れる人々の行列(左向きの男性ら)の周囲から下書きの線が浮かんだ=平等院提供平等院鳳凰堂の本尊・阿弥陀如来坐像の背後にあるのが仏後壁画=京都府宇治市の平等院 平等院鳳凰(ほうおう)堂(京都府宇治市)の本尊・阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)の背後にある仏後壁画に、成仏を主題にしたインドの仏教説話が描かれていたと、平等院が23日発表した。表面は劣化が激しく、近赤外線カメラなどを使用して詳細な図柄がわかったことから判断した。極楽往生を願い、1053年に鳳凰堂を建てた藤原頼通の指示で制作された可能性があるという。 鳳凰堂にある扉絵や壁画計14面は1972年に一括して国宝指定されたが、仏後壁画(縦3.4メートル、横3.7メー
プラド美術館が所蔵する「巨人」=AP。ゴヤの作品でないことが明らかになった 【パリ=国末憲人】スペインを代表する画家フランシスコ・デ・ゴヤ(1746〜1828)の作品と見なされてきた絵画「巨人」が、実は他の画家の作品だったとする調査報告書を、所蔵するマドリードのプラド美術館が近く公表する。「巨人」は同館で最も人気が高い作品の一つ。 同館関係者によると、真の作者はゴヤの弟子アセンシオ・フリアとされる。この作品は動物の描き方に粗さが目立つなど、ゴヤ本来の作品との違いが指摘されていた。同館は昨年6月、作者がフリアである可能性が高いと発表、専門家による検証作業を続けていた。 「巨人」は1808〜12年ごろの制作とみられてきた。今後も同館で展示されるという。プラド美術館はパリのルーブル美術館、ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館などと並んで世界を代表する絵画館の一つで、ゴヤやベラ
7世紀半ばに油絵の具で描かれたことが判明したバーミヤン遺跡の仏教壁画=06年撮影(東京文化財研究所提供、共同) アフガニスタンの世界遺産バーミヤン遺跡の石窟(せっくつ)内に描かれた7〜10世紀の仏教壁画が、世界最古の油絵であることが東京文化財研究所などの調査で分かった。調査した専門家によると、絵画の分野では、12世紀のスウェーデンの「キリスト磔刑(たっけい)像」の油絵の具が最古とされており、美術史を塗り替える発見となる。 調査に参加した谷口陽子・東文研客員研究員(筑波大助教)によると、同遺跡の50の石窟の壁画から塗料を採取して化学的に分析、12の石窟の壁画に、クルミやケシの実の油に極めて近い成分を用いた油性塗料が使用が判明した。 塗料を分析した欧州シンクロトロン放射光施設(フランス)は「世界最古の油絵であることが証明された」と断定し、「中国と欧州を結ぶシルクロードを旅した芸術家の作品だろう
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