総務省が進める電波利用の再編で、現在、劇場やホールのワイヤレスマイクとテレビ中継などが使っている周波数帯が、新たに携帯電話に割り当てられる方向が固まった。「立ち退き」を迫られた形の音楽や演劇、放送関係者には、反発と困惑が広がっている。総務省は「スムーズに引っ越しできるよう配慮する」と説明するが、新しい電波をうまく使えるかは未知数で、課題も多い。 問題になっているのは、コンサートやミュージカルで使うワイヤレスマイクと、テレビのスポーツ中継などとが共同で使っている770〜806メガヘルツの周波数帯だ。免許を受けているマイクは全国で約2万ある。 ■携帯電話に譲る 電波が途切れにくいこの帯域は、携帯電話事業者が使用を希望している。総務省の作業部会は25日、経済成長や利便性などの観点から、2015年から携帯が利用できるようにするという結論を出した。ワイヤレスマイクの移転先は、地上波テレビがデジタ