(Image by wavebreakmedia/Shutterstock) COVID-19流行下において、高齢者は、外出自粛による身体活動量の減少、下肢機能の低下、フレイル(虚弱)の進行など、健康に大きな影響を受けたことが報告されています。しかし、それらはアンケート調査による高齢者の主観に基づく評価であったため、具体的な機能低下の実態は、十分に分かっていませんでした。そこで本研究では、COVID-19流行前から毎年実施している体力測定のデータ(茨城県笠間市在住の男性107人、女性133人、平均年齢73.2歳)を用いて、2016年からCOVID-19流行下の2020年にかけて、高齢者の各種体力の推移を調べました。 その結果、複合的な移動動作能力を評価する「Timed Up & Go」という体力テストの成績が、通常の1年間では平均して男性で0.05%、女性で0.12%遅くなる(=機能が低下