日本の文化の魅力や政策の構想力などのソフトパワーを外交にどう生かすか。外国との関係を良好にするうえで重要なツールだ。 安倍政権が重視する一つに戦略的情報発信施設「ジャパン・ハウス」がある。ブラジルのサンパウロ、ロンドンに続いて先月、米ロサンゼルスで全館オープンした。 施設内には、伝統工芸品などの販売コーナーや図書館、日本料理店などがある。日本への理解を促して親日派を増やすのが狙いという。 日本の好感度を高めるパブリック・ディプロマシー(対市民外交)の一環だが、その効果はどうか。 ジャパン・ハウス事業は2015年度の外務省予算で建設費が計上されて始まった。だが、当初から「屋上屋を架す」という指摘があった。 主な大使館には広報文化センターがあり、日本の食や芸術の広報施設になっている。国際交流基金も主要国に日本文化センターを開設しており、既存施設との重複は明らかだ。 ロサンゼルスには日系団体が運