ノーベル経済学賞を受賞した故ミルトン・フリードマン氏はかつて、「世界経済が真の難題」にぶつかると、直ちにユーロ圏が崩壊すると予言した。これまでのところ、そうなってはいないが、来年1月1日に誕生から10年を迎えるユーロ圏が最大の難問にぶつかるのはこれからだ。 現在15カ国が参加するユーロ圏は金融危機の中でも結束を保っているが、今回の混乱でECB(欧州中央銀行)には新たな課題が生まれた。 ◆政策シフト課題に なかでも、過去10年にわたってECBが主要問題としてきたインフレの脅威がリセッション(景気後退)で激減。金融政策の軸足を移すことが喫緊の課題だ。 また、金融危機による悪影響をユーロ圏への早期参加によって免れようとする東欧など一部諸国の動きによってユーロの安定が脅かされるという課題も浮上してきた。 ドイツ銀行のチーフ・エコノミスト、トーマス・マイヤー氏は「深刻な問題が新た