1989年に中国で起きた天安門事件時の学生運動リーダーで、台湾に住むウアルカイシ氏(46)が1日、立法委員(国会議員)補欠選挙に立候補すると表明した。立法院を占拠した3月の学生運動や国民党が惨敗した統一地方選で「台湾は新たな時代に入った」と考え、決断したという。 ウイグル族のウアルカイシ氏は事件当時、北京師範大学の学生でカリスマ的リーダーとして知られた。中国当局による事件弾圧で海外に逃れ、米国滞在中に台湾人女性と結婚。96年に台湾に移り、99年には台湾の戸籍も取った。 同氏が立候補するのは、台中市長選立候補のため辞職し、当選した民進党の林佳龍氏の選挙区。ウアルカイシ氏は声明で、「台湾が直面する挑戦は、私が生まれた中国から来ている。民主主義の深化がこの挑戦に向き合う唯一無二の方法だ」などとした。(台北=鵜飼啓)