■「教育の一環」という大義名分法廷での長く苦しい闘いが、遺族に怒りと悔しさを残したまま、終わりを迎えた。 2009年8月のこと、大分県立の高校の剣道部で、顧問が主将の工藤剣太さん(当時2年生)に暴行をくわえるなか、剣太さんは熱中症により帰らぬ人となった。私が知る限り、部活動顧問から生徒への暴行事案のなかでは、もっとも凄惨な部類に入るものである。 その民事裁判において、最高裁が28日付にて遺族である両親の上告を退けていたことが明らかになった(大分合同新聞7/31、朝日新聞7/31) 最高裁の答えは、顧問の行為がどれほど凄惨であったとしても、「教育の一環」である限りは、教員個人の民事責任は生じない、というものである。「教育」活動中という大義名分が、重大事案の問題性を覆い隠してしまう。まさに私が訴え続けている「教育という病」の典型例である。 ■2009年8月、工藤剣太さんの身に起きたこと剣太さん