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「忘れなさい」 そう言われると、逆に忘れられなくなることが誰にでもあるだろう。 あれは夏の日差しが強い日だった。 祖母と曾祖母が唯一、沖縄戦のことを話してくれた日。 心が強い人で、“笑い上戸”の祖母がその時は目にハンカチを押しつけながら泣いていた。 そして言ったのだ。「この話は忘れなさい」と。 その孫娘であるアーティスト・Coccoは忘れなかった。 むしろそれはCoccoが「戦争」を語り継ぐ原点になった。 Cocco 1997年にデビュー。「強く儚い者たち」「樹海の糸」といったJ-POPナンバーから「ジュゴンの見える丘」など古里・沖縄をテーマにした歌まで幅広い楽曲を世に送り出してきた。2021年春のNHK連続テレビ小説のヒロインに決まった清原果耶のファーストシングルの作詞・作曲・プロデュースも手がける。 たった一度。祖母の証言 太平洋戦争で日本唯一、住民を巻き込んだ地上戦となった沖縄戦。4
【時代の正体取材班=田中 大樹】沖縄本島北部の日没は早い。やんばるの深い森に抱かれ、薄暮に浸る暇はない。暗闇が一気に忍び寄り、光も音も全てをのみ込む。 揚げ句、今月9日は雨が降り始めた。雷鳴が轟き、稲妻が走る。ヘッドライトを頼りにハンドルを握り続けていると、名護市辺野古の集落が見えてきた。 午後9時すぎ、市議選投開票日。地元の宮城安秀さん(63)の支持者ら数十人が広場に集い、テントの下でテーブルを囲んでいた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還に伴う辺野古新基地建設を容認する住民たちだ。当選を確信しているのだろう。嬌声(きょうせい)を上げ、缶ビールを開ける乾いた音を響かせ、泡盛の杯を重ねていた。静寂に包まれた集落内、この一角ばかりは皎々(こうこう)と明かりが灯(とも)り、宴が続いた。 熱気が最高潮に達したのは午後11時20分ごろ、太鼓と指笛が鳴り響く中、3選確実となった宮城さんが姿を見せた時
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