その日、冒険者協会は、早朝から大騒ぎであった。 「まずはドルクの枝と葉っぱを分けてまとめて、枝は皮をはぐ。それとエージュの茎とドルクの葉っぱは細かくきざんで、こんな感じになるまですりつぶして。割合があるから、間違っても混ぜんようにしてや。要るんはアスリンは根っこ、エージュは茎だけやから、それ以外は適当に処分しといて」 宏の指示に従い、昨日のうちにかき集められ、山と積み上がった材料に立ち向かっていく春菜と職員達。参考までにと、材料を分けてくれた薬剤師が、何人か協力に来ている。 「アスリンの根以外は、普通に作られている応急処置用の毒消しと変わらないのですね」 「そらそうでっせ。元々、あの毒消しは効きが弱いだけで、成分的には大抵の毒に干渉できるし」 「では、このアスリンの根は?」 「瘴気系の毒に強い効果があるんやけど、そのままやと劇薬やから、普通の毒消しの成分で劇薬になってる部分を弱めたるんです
![フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ - 第3話](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e6f03c40a4442831666d56c2d78a17fa32ec39f2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsbo.syosetu.com%2Fn6768bf%2Ftwitter.png)