第8回 1杯のコーヒーからできること 2007年12月18日 ノンフィクション作家=島村 菜津氏 コーヒーの木は本来日陰を好む植物 私は、原稿を書きながら、よほど胃が弱っていない限り、毎日のようにコーヒーで一休みする。たかがコーヒー、されどコーヒー。 エメラルド・フォレスト『ラ・フロリダ』の持ち主カルロス・ソリージャが、泊まったほったて小屋、もとい、“エコホテル”の裏に生えているコーヒーの実を見せてくれた。 コーヒーは、大木の陰に遠慮がちに生えていた。だが、えらく暗い。これじゃ、お日さまが当たらないじゃないか、と素人は心配した。だって、日本で見慣れているコーヒー畑の写真は、お日さまがさんさんと注ぐ、見渡す限り平らなコーヒー畑だった。 しかし、それはカルロスによれば、植民地時代に生まれた巨大なプランテーションだと言う。本来、コーヒーの木は、森の日陰に自生している。むしろ日陰を好む植物なのだ。