私的な文章を紡ごうとした時に、あるいは何かを表現したい時に皮肉や洒落っ気を加えない人達が圧倒的に多い。文意に隙を作れば攻撃される、という思いが慣習化した挙句張り付いており、自分がやりたかった表現の起源すら忘れてしまってる。色気のない整然としすぎた文章も逆にかっこいい。でもそれはよほど突き詰めた人の放つ凄みであって、普通の人が感覚を忘れたら何も紡げない。隙間なく卵みたいにびっしり埋め尽くさなきゃいけないものは、やがて誰かが真似をする。そのうえ卵には味がない。それこそ飾らない、面白くもない率直な言い方をすれば、洒落っ気には解釈の余地を残すべきだ。読み手は表現に関して重箱の隅をやるべきではない。もしやってしまったらその人に色気がないのだ。ツイートする