私の若い頃と違って、いまは格安の夜行バスだってある。でも、バスの車内では静かにじっとしていなくてはいけない。それに比べれば列車は自由だ。いつでもトイレに行けるし、車窓を眺められる。小声で語り合っても咎められない。 若者たちと言えば、外国人観光客も増えている。車内を散歩したら、ブロンドの女の子のグループがデッキに座り込み乾杯していた。お行儀が悪いなと思ったけれど、そうか、自席で宴会を始めたらまわりの客に迷惑がかかるから、こっちで楽しんでいるわけだ。それは感心、感心。「ムーンライトながら」は海外のバックパッカーにも知れ渡っているのかな。 最近では、お台場で開催される世界有数の同人誌見本市、コミックマーケットに向かう人々の移動手段としても認知されている。節約してでも旅に出る。昔の私がいる。 復員列車から「ムーンライトながら」へ 「ムーンライトながら」のルーツは戦後の復員列車という説がある。戦前か