小宮山洋子厚生労働相は25日午前、同相の諮問機関、社会保障審議会に12年度の介護報酬改定案を諮問した。「施設重視から在宅介護へ」との方針に沿い、ホームヘルパーらが昼夜を問わず高齢者の自宅を定期的に訪問する24時間対応の「定期巡回・随時対応サービス」を新設、1日に何度も訪問介護や看護を必要とする利用者への配慮、介護費抑制の観点から定額(要介護5で月額の自己負担約3万円)とした。また、介護費用の効率化策として、ヘルパーが掃除や調理を行う生活援助の時間を短縮。いずれも4月からとなる。 生活援助は、現行の▽30分~1時間(自己負担229円)▽1時間以上(同291円)を▽20~45分(同190円)▽45分以上(同235円)とし、時間区分を短くする。同省の調査で掃除や調理の平均利用時間が30分前後だったことを踏まえた。介護事業者のサービス提供時間が少なくなるよう誘導し介護費縮減につなげる狙いがある。
安心して老後を過ごすのに今の介護保険で十分だと思っている人はまずいないだろう。私たちの国ではお年寄りは家族が介護するものとされてきた。そうした常識が通用しなくなった今も介護保険は家族の介護負担を前提に組まれている。しかし、それも限界に近づいている。 要介護者の重度化は進み認知症は200万人とも言われているが、特別養護老人ホームや老人保健施設は満杯状態で、特に認知症の人は簡単には受け入れてくれない。有料老人ホームやグループホームも受け皿としては足りず、ほとんどは家族が疲弊しながら自宅で介護しているのが実情だ。100歳代の親を80代の子が介護している例も珍しくなくなった。親の介護のために仕事を辞めざるを得ない現役世代も多い。 精神科病棟には認知症のお年寄りが5万人以上も収容されている。精神障害者の「社会的入院」を解消しても、行き場のない認知症のお年寄りがその分病床を埋めているのだ。はたして長い
亡くなったお年寄りの無念さと高齢化社会の行く末を思うと暗たんたる気持ちになる。 札幌市の認知症高齢者グループホームで火災が起き、60~90歳代の7人の命が奪われた。 ほぼ1年前の昨年3月、群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で10人が亡くなる火災が起きたのも記憶に新しい。夜間の発生で施設にいた職員は1人だけ。スプリンクラーの設置もなかった点など驚くほど共通点が多い。 たまゆらの教訓がなぜ生かされなかったのか。施設関係者はもちろんだが、行政も深刻に受け止めねばならない。 北国である。24時間稼働していた石油ストーブ付近が火元とみられている。警察と消防は、出火原因はもちろん、施設の防火体制や避難誘導に問題がなかったかなどを徹底的に調べる必要がある。 施設は、市の認可を受けて05年12月にオープンした。消防法で年1回義務付けられている消火器、誘導灯などの点検報告は翌年しただけで、市消防局
福島県いわき市泉町滝尻の老人介護施設「ROSE倶楽部粒来(つぶらい)」で26日夜、入所者の同市平、久野トシヱさん(88)と同市小名浜岡小名、水谷タキさん(90)が一酸化炭素中毒死し、2人が煙を吸って重傷となった火災で、施設では以前から夜間の防災体制の問題点が指摘されていたことが分かった。 1階リネン室付近の燃え方が激しく、県警いわき東署などは28日も実況見分して出火原因を調べる。 同署によると、施設は出火時、2階の居室に高齢の入所者8人がおり、夜勤の職員は女性1人だけだった。福島県社会福祉協議会は今年10月にまとめた調査報告で、この施設について「職員が1人で夜勤になるため、職員は夜間時の災害対応に不安を抱いている」と指摘していた。 施設側は毛布を使い、2階から避難する訓練を実施していたが、消防署の立ち会いはなかったという。報告書は「2階からの避難は夜勤者1人ではできないので、近隣の協力を得
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く