厚生労働省は15日、介護型の療養病床を廃止する期限を6年間延期して、2017年度末とする方針を固めた。介護施設への移行が想定通りに進んでいないため、先送りが必要と判断した。今国会に提出する介護保険法の改正案に盛り込む方針だ。 療養病床は、長期入院が必要な患者を受け入れている。ただ、行き先がない高齢者が長期間とどまり続ける「社会的入院」が問題化したことから、そのあり方が見直されることになった。医療保険が適用される医療型(09年7月で約22万床)と介護保険が適用される介護型(同約9万床)を再編する必要もある。 再編にあたり、医療と介護の施設を一体的に見直す必要性から、診療報酬と介護報酬が同時に改定される18年4月に合わせて廃止する。その間、介護型の新設は認めず、医療型や介護施設への移行を促す。長期入院患者を受け入れている一般病床は療養病床への転換を勧め、受け入れに必要な数を確保する考えだ。