政府の教育再生実行会議が道徳の教科化を提言したが、教科化についての反対論も少なくない。賛否両論その理由はさまざまだが、道徳教育をめぐる認識の違いが浮き彫りにされていて興味深い。教科化に賛成の立場で論点を整理してみたい。 第1に、「価値観の押しつけに反対」の立場からの批判について。価値観の押しつけは教育になじまないという耳に心地よい言葉を口実に、親と教師は子供たちに道徳を語ることから逃げてきたと思う。 戦後社会において私たちは、価値観多様化を理由に価値判断の分かれる事柄について深く立ち入ることを避けてきた。このような「価値相対主義」によって立つのが道徳教育の主流だった。そこでは、子供たちの人格形成、価値判断の基準となる、人生の羅針盤の役割を果たす具体的モデルを示すことはしなかった。 もともと教育には押しつけなしには成立しないところが多い。価値観が多様化している現代だからこそ、子供たちには社会
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