7月会合で政策金利を0.25%程度に引き上げたことは、「普通の金融政策に戻る過程で、ほとんどゼロ金利の世界から0.25%という普通の刻み幅まで思い切って上げたのはいいことだ」と指摘。それだけに、追加利上げにはエネルギーが必要だったとし、この点からもさらなる金利引き上げは「少し様子見でいいだろう」と語った。 最近の市場の動揺と日銀の発信を受けて、今後の金融政策に対する市場の見方も錯綜(さくそう)している。金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が織り込む年内の追加利上げの確率は30%程度にとどまる。桜井氏の見通しも慎重だ。 コミュニケーション 植田和男総裁は7月会合後の会見で、経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば「引き続き金利を上げていく」と述べるなどタカ派姿勢を強めた。発言を受けた市場では早期の再利上げ観測が浮上したが、米経済の後退懸念も重なって金