江戸時代の浮世絵を明治以降に復興させた新版画を集めた企画展「大正新版画展」が二十六日から、千葉県・JR柏駅前の柏高島屋で開かれる。主催する市民団体の代表は「一色ずつ刷っていく過程の分かる貴重な『順序ずり』が目玉の一つ。日本の文化を見直すきっかけに」と来場を呼び掛けている。五月七日まで。 (横山大輔) 新版画は、浮世絵の流れを継いだ木版画で、明治末期から昭和の第二次世界大戦前後まで盛んに制作された。色ごとに数十の木版を使い、精密に重ね合わせて印刷することにより微妙な色合いを表現。風景や美人、役者など日本独特の題材も相まって、特に海外で人気を博したという。 主催するのは、昨年八月に発足した市民団体「アート・ウォークかしわ」(鈴木昇代表)と柏市。今回は、文化イベントなどの発信を目的に団体が発足して初めての企画となる。新版画の版元の協力も得て、約四百点を展示する。 初公開する「順序ずり」は、完成品