がんは世界中で主な死因となっている。早期のがんを発見する検査は、治療に革命をもたらす可能性がある。(PHOTOGRAPH BY ANTHONY KWAN, BLOOMBERG VIA GETTY IMAGES) 膵臓(すいぞう)がんを専門とするフィリス・ナポレス氏が手術をするときには、患者の病状は進行しており、予後も悪いことがほとんどだ。しかし、2020年10月に米カリフォルニア州のサッターヘルス病院で手術をした例は、これまでと違っていた。 退職した自動車セールスマンである76歳のジム・フォード氏は、血液による新しいがんスクリーニング検査の治験に参加し、ステージ2の膵臓がんと診断されて驚いた。多くの膵臓がん患者とは異なり、彼には何の症状もなく、つい1週間前にもゴルフに出かけたばかりだったからだ。 膵臓がんがこれほど早期に発見されることはまれだ。ナポレス医師によると、膵臓がんは症状が出てから
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