「安倍晋三首相対小池百合子東京都知事」の対決構図に一変した衆院選が実質スタートした。 だが情勢は依然、混沌(こんとん)としている。きのう、希望の党代表の小池氏と民進党の前原誠司代表が会談し、連携していくことは確認したが、その連携の仕方について、いっそう溝が深まっているよう見えるからだ。 前原氏が望む党丸ごとの合流を、小池氏は「全員はない」と拒否し、民進党の候補者を厳しく選別する考えを示している。当面、この公認基準をどうするかが焦点となる。 小池氏は安保法制への賛否を基準の一つにする考えをにじませている。安保法制に民進党は反対してきただけに極めて高いハードルだ。 一方で多数の候補者を擁立するためには、民進党との一定の連携は必要だと小池氏は考えているようだ。候補者数の確保と政策の一致の双方を両立させるのは簡単ではない。 忘れてならないのは1996年の旧民主党結成以来、保守勢力を取り込んで政権交