東京の都心部、六本木や西麻布から少し離れた青山霊園沿いに、屋台というかバラック小屋風のラーメン店を目撃したことはないだろうか? ▲深夜、青山墓地脇に浮かび上がるこの光が目印。看板に書かれた「高湯」とは中国語で「かおたん」と読む 墓地を背景に、闇夜に浮かび上がる煙突の生えたトタン張り。その外観は、見るものに相当なインパクトを与えるが、数十年ぶりにその姿を目撃して「まだやってるんだ!?」と驚かれた方も多いかもしれない。 それもそのはず、この「かおたんラーメンえんとつ屋 南青山店」(以降、かおたんラーメンと表記)は、昭和から平成、そして令和と、この怪しげな雰囲気を維持しながら、バブリーな時代と不況の谷を生き抜いて営業を続けている。 東京の事情に明るくない方からは、こういうお店が都心でずーっと営業を続けているのかと驚かれるかもしれない。が、土地に息づいていることこそ、東京らしさとも言える。 ここで