●『思い出のマーニー』(米林宏昌)をDVDで観た。これはよかった。傑作というようなものではなく、むしろ物語の類型そのものという感じなのだけど、類型を類型として、ここまでのクオリティでやり切ったものは他にはそんなにないんじゃないかと思った。 このお話は内向的な女の子の話だ。そして、一般的に、多くの人はけっこう「内向的な人」に冷たい。この原作は児童文学で、本をよく読むような人は、内向的であるために外ら見るとひねくれた嫌な奴にも思えてしまうような登場人物に、寛容であることが多いと思う。『秘密の花園』とか、そういうのが好きな人が多い。『くまのプーさん』だって原作はすごく内向的だ。それは、児童文学を好むような人は、自分自身が内向的であることが多く、むしろ内向的な主人公の方が感情移入しやすいからだろう。でも、内向的な人は実はそんなに多くない。 (児童文学ではないが、ウェルズの「白壁の緑の扉」なども思い