目を覚ますと、つけっぱなしのテレビにカラフルな画像が映し出されていた。チャンネルを回すと、少しずつ配置は違うものの、似たような画面で停止している。時計には午前3時34分と表示されている。今日は月曜日で、すべての放送が休止中だ。今日が月曜日だとすれば昨日は何曜日だったのだろう。 ここはどこだろう。数秒考えて、昨晩はホテルに泊まったのだったと思い出す。ホテルで目を覚ますと、何泊か泊まっているときでも、自分が今どこにいるのかわからなくなるときがある。 外はまだ暗闇に包まれている。東京駅からほど近い場所だというのに、歩いている人はおろか動いているものさえ見当たらなかった。近くのレンタカー店まで歩き、コンパクトカーを借りる。店員に先導され、車体にキズがないか確認する。そこには水滴が残っていて、「昨日はすごい雨でしたね」と店員が言う。ぼくは昨晩遅くに東京に帰ってきたばかりだから、雨が降ったことを知らな